2023-08-23
ザッカーバーグの「Done is better than perfect」の理解と実践
Facebook創始者であるザッカーバーグの名言として広く知られている言葉に、"Done is better than perfect(完璧よりも実行することが重要である)"がある。
今回、"Done is better than perfect"の意図することを勝手に解釈し、それを実践することによるメリットはなにか、また、自身の置く環境と照らし合わせ、既に実践しているもののアップデートや変化のきっかけとしたい。
"Done is Better than Perfect" の解釈
調べてみると、どうやら、Facebook上場時のIPO申請資料に記載されている”The Hacker Way”という行動原理が思想の源泉のようだ。
The Hacker Way is an approach to building that involves continuous improvement and iteration. Hackers believe that something can always be better, and that nothing is ever complete. They just have to go fix it ? often in the face of people who say it’s impossible or are content with the status quo.
Hackers try to build the best services over the long term by quickly releasing and learning from smaller iterations rather than trying to get everything right all at once. To support this, we have built a testing framework that at any given time can try out thousands of versions of Facebook. We have the words “Done is better than perfect” painted on our walls to remind ourselves to always keep shipping.
Mark Zuckerberg’s letter to investors before Facebook’s initial public offering (IPO) in 2012.
上記より私は、Hackers try to build the best services over the long term by quickly releasing and learning from smaller iterations rather than trying to get everything right all at once.(技術者は、すべてを一度に正しく実行しようとするのではなく、小さな反復からすばやくリリースして学習することにより、長期的に最高のサービスを構築しようとする。)こそが、本質的な行動原理としての価値であり、その実践としてDone is better than perfectがスローガンとして置かれているのだなと理解した。
つまり、完璧じゃなくていいからとりあえずやってみて、それを改善し続けることで最高のものにしよう、ということであると。
"Done is Better than Perfect" の恩恵
この言葉から受ける恩恵について、以下の2つのポイントを考察する。
1. 創造物の発信と自信の向上
完璧ではないものを世に出すことに対する抵抗を乗り越え、行動することで以下の恩恵がある。
- 創造物やアイデアの発信が容易になる
- 失敗から学ぶことで、次第に高いクオリティを達成する方法を見つける
2. 潜在的価値との出会い
先鋭的行動を起こすことで社会のフィードバックを受け入れ、経験学習機会を創出し続けることができる。
不確実性の高い潜在的な価値と向き合い、先駆的結果を蓋然性高く生み出すためには非常に重要と感じる。
- 変化や顧客の反応を取り入れて進化する能力
- 実践によってのみ得られる洞察や成長の機会
"Done is Better than Perfect" の実践
1. "Be the first penguin"
ファーストペンギンになることを恐れない。
- 未知の領域に対しても、失敗を恐れずに行動する
- 行動から得られる結果を客観的に評価し、改善の方向性を探索し続ける
2. 失敗を許容するカルチャーの醸成
実践を評価し、失敗を許容するカルチャーを醸成すること。
これには組織としての努力と個人的な意識が必要である。
- 心理的安全性を尊重し、失敗を恐れずにチャレンジする環境を整備する
- 成人発達理論や臨床心理学の概念を取り入れ、個人の心理的ハードルを理解する
- 失敗から学び、次の行動へのフィードバックを受け入れる文化を育てる
最終的には、実践する環境や他者のサポートがどれだけ整っているかによって、可能性を広げることができるだろう。
3. 組織としての学習
各個人が蓄積した知識や洞察を一般化することで、組織全体の学習を進めること。
- 学習の蓄積や一般化を評価し、誰もが常に情報にアクセスできる状態を持つ
- 高頻度で情報をアップデートし、共有が可能な機会を持つ
まとめ
"Done is better than perfect" の考え方は、完璧を求めるよりも行動することの重要性を強調している。実践を通じて経験を積み、改善を続けることで、最終的には理想の状態に近づくことができるといえるだろう。価値観の言語化や組織文化の整備も大切だが、自身の意志と行動が変化をもたらす最大の要因といえる。"Done is better than perfect" の精神を持って、積極的な行動を心がけたい。